NZCAの日々つれづれ 憧れのCAになりたい! その5
機内での急病人は、意外と日常茶飯事です。貧血などでお倒れになられる方、高血圧や喘息などの既往症があり具合が悪くなられる方、長時間のフライトの乗り継ぎにつぐ乗り継ぎで疲労困憊の方など、様々です。
私達乗務員は、このようにして具合が悪くなられたお客様の応急処置、症状による判断、医療関係の方の呼び出しや、手順に関しての訓練も受けます。ファーストエイドトレーニング(救急措置訓練)と呼ばれるものです。
各種の病気の症状を学び、AEDの使い方や、心肺蘇生法を習います。機内に搭載されている医療器具キットの取り扱い方に関しても訓練をうけます。AEDは機内に常備されています。
体調がすぐれない時に旅行をされる方は少ないので、重篤な症状の方の対処をするのは極めて稀ですが、私は一度だけ、機内でお亡くなりになってしまわれた方の対応もいたしました。
日帰り便の復路の2時間半という短いフライト時間での、まさかという出来事でした。
その方は、ご搭乗の際には、全くそんな兆候は見られなかったのですが、あっというまに具合が悪くなってしまわれたのです。
すぐにお医者様に呼びかけるアナウンスがされ、幸いにも、その便には3名のお医者様がいらっしゃっり、心臓蘇生などの救命措置を懸命にしてくださったのですが、残念ながら、空港に到着する前に息を引き取られました。恐らく心臓発作だったと思われます。
空の上にいて、限られた救急措置となる機内では、地上にいる時と異なり、間に合わない場合もあります。ですが、その限られた救急措置でも、可能な限りを尽くせるようにしているのです。