NZCAの日々つれづれ 憧れのCAになりたい! その4
キャビンアテンダントが乗務する一番の理由は、保安要員としてです。
保安要員としての役割をきちんと果たす為、緊急時の脱出や、機内での不測の事態に備えて、一年に一度、トレーニングのおさらいをします。
不測の事態とは?‥‥機内での急病人や、火災、規定を守っていただけないお客様への対応(機材や乗員、他の乗客に危険が及ばないようにする対応)等々。まさかそんなことはおこらないでしょう?!なんてことも、実際に経験したことがあります。
規定を守っていただけない方なんているの?と思われるかもしれません。
もちろんそれほど多くはありませんが、私も一度ぐらいは、お客様に手錠をかける場面に居合わせた経験があります。
機材や乗務員、または、他のお客様に危害がおよぶ、または、およぶ可能性がある場合、私たち乗務員がそのお客様に手錠をかけ、拘束することができるのです。
私が居合わせた際のお客様は、ご搭乗の時から少々酔っていらっしゃり、最初は機内でお出ししていたお酒も、お出ししないようにしたところ激昂され、散々悪態をついたので、機長からの最終通告をしていただきました。にも関わらず、まだ態度を改めることなく、騒ぎ立てたので、乗務員、そして、他のお客様への危害がおよぶ可能性があると判断され、手錠をかけられました。
一度機内で手錠をかけられると、到着した空港で警察に引き渡されるまで、手錠を外されることはありません。手錠をしたまま座席に座らせられ、再び暴れることが無いよう手足の自由を奪われ、食事(お水だけは提供されます)はおろか、トイレに行くことも許されません。
空港到着後、手錠をかけられたお客様以外の、すべてのお客様が降りられた後、乗務後のブリーフィングが行われたのですが、その横を警察に連れられていくその方は、「俺は何も悪くないんだ。」と私たちに向けてまだ悪態をついていました。この状況に及んでも、悪態がつけるのはすごいかも、なんて感心したほどです。
こういったケースは稀ですが、全く無いわけではありません。そういった不測の事態に備えて、トレーニングがあるわけなのです。